コロンビア、エクアドル、日本の治安の話

南米コロンビア

コロンビアの治安

コロンビアの治安はどう?とイメージすると、一般的には悪いというイメージだと思う、まさに正しく、実際悪い。

NETFLIXで話題のナルコス、また、映画を見れば、コロンビアを舞台にした様々な映画があるが、すべて犯罪がらみである。例を挙げるなら、コロンビアーナという女性の暗殺者の映画、コラテラルダメージというシュワルツネッガ0主演のテロの映画、そして一片の花という麻薬の運びやにされた女の子の話など、また名前は忘れたが副題が世界には決して足を踏み入れてはいけない場所がある、、、というのもコロンビアの田舎のオイルパイプの通っている場所のテロの話であった。小説でいえば、垣根良助さんのマフィアがらみの話でメインの舞台となっていた。

一昔前に、世界中で騒がれた世界的な有名な麻薬カルテルであるメデジンカルテルやカリカルテルは、同国の第二第三の都市のをベースに活動していた。

国土の大部分を占める山岳地帯やジャングル地帯では、国民的ゲリラであるファルクとパラミリタールという大きなグループが散在していて、ただ、現在はファルクは解散したとは言われているがその分派がまだ活動しているなど期は緩めることができない。

牧歌的な風景に自然に混じって黒い影がいたるところに散在している。

ただ、イメージとは異なり、現在では、かなり治安は改善され、派手な爆弾テロなどは極端に減り、麻薬組織はメキシコへのシフトなどで、かなり小規模になりとポジティブな方向へ移行している。

ただ、まだまだ気も許せないところもあり、ボゴタ市内では、南に行くほど治安が悪くなり、治安の悪い地域の公園などでは、麻薬中毒者が溶けた赤い目で漠然と宙を見つめ、CIUDAD de BOLIVALという丘(丘陵地帯)には住民が不法占拠して作った町が存在しており、そこにはタクシーも警察も足を踏み入れることができず、日本人の顔を持った私が一歩でも足を踏み入れればたちどころに強盗に襲われるといわれている場所があったりと、コロンビアのよい面を書こうと思っていたのだが、やはり文字にしてみると今でもまだまだ危険な香りはいなめない。

ただ、危険といわれるこの国で治安を維持しようと日々血のにじむ思いで、また、実際に血を流しながら努力している人々がいることも忘れてはならない。

日本で言うと警察が思い浮かぶが、当地の警察はあまり評判がよくない。

交通事故は多発するが、発生現場への集結は、とてつもなく遅い、交通整理をしながら、無駄な動作で渋滞を作り出し、権力をひけらかすことに終始し、と現地の人間が散々文句を言っている。

一方、軍隊は非常に評判がよい。

普通の街角に本物の機関銃を抱えた兵士が立っており、町の治安維持を行っている。

また、国内を車で移動すると、主要都市をつなぐ幹線道路の脇には、ところどころに兵士がたっており、幹線道路の守備に当たっている。

軍隊は国民からも尊敬されており、車を運転している人、同乗している人は、立っている兵士一人ひとりに感謝をこめて、親指を上げ、挨拶し、兵士もそれで返してくるというなんとも一体感のある雰囲気である。

また、街中には軍隊の基地も存在するが、そのような基地の周辺には実弾を使った射撃練習場があり、街中に訓練の銃声を絶えず響かせている。

長年、ゲリラによる爆弾テロに苦しんだ同国の都市部では、必ず駐車場に入る際には、爆弾犬という爆弾探知の訓練を受けた犬たちによる車のチェックがあり、初めて駐車できることとなる。

海外要人のコロンビア訪問の際には、数ヶ月前よりコロンビア軍の特殊部隊が、爆弾など仕掛けられないように特殊部隊の完全装備で警備に当たり、安全を確保している。

日本にいると実際の拳銃など目にする機会はなく、また、実際の銃声などを聞くことはまずないが、ここでは、完全に日常生活の一部になっている。

私自身も最初にこの国を訪れたときは、そこらじゅうで機関銃を目にする機会に多々恵まれ、なんて恐ろしい国に来てしまったのだろうと思ったものだが、今となっては、機関銃を持った兵士や完全武装の特殊部隊を目にするたびに、ここは安全だと心のそこから思ってしまうメンタリティーに変わってしまった。

いずれにせよ、旅行などでコロンビアを訪れ、危険な目にあわない、または、身を守るためには、保障はできないが以下のことを守る必要があると思われる。

  • よくないといわれる場所をしっかりと現地のホテルなどで確認し、そこには近寄らない。
  • 場所がどこであれ、知らない人に話しかけられたりしても答えないで完全無視。

バーなどであれば、薬を盛られる可能性、外であれば注意がそれている間に強盗にあうなど様々な可能性が考えられる。

  • 暗くなってからの徒歩での移動は避ける。
  • バスやトランスミレ(路面電車的なバス)などの公共交通機関や町の流しのタクシーは乗らない
  • 外で携帯電話は使わない
  • 歩く際は常に早歩きで、たまに後ろを振り返り、追跡者がいないことを確認する。

エクアドルの治安

エクアドルにはゲリラや麻薬カルテルの存在は確認されていないが、一般犯罪は多い。

最近はやっているのは、キッドナップエクスプレスという簡易誘拐、日付をまたぐ夜12時前に人を誘拐し、所持金を巻き上げ、その後車でエスコートし、キャッシュマシーンの前まで連れて行き、目の前で現金を下ろさせ、強奪。

その後、再度車に乗せ、日付を越えるのを一緒に待ち、日付を超えたところで、再度キャッシュマシーンに連れて行き、再度現金を下ろさせるという手法である。

これは、一日におろせる限度額が決まっていることより日付をまたぐことで二日分の限度額、ダブルで現金を入手できるという非常に効率のよいシステムである。

現金を搾り取った後は、郊外に連れて行き、開放するか、または、本当に恐ろしいことだが、殺傷するなどのこともあり、名前とは裏腹にかなり危険な犯罪である。

また、タクシーをめぐるトラブルは常にあり、ショッピングセンターで普通にタクシーを拾ったところ、背中がむずむず動くので何かと思ったところ、タクシードライバーとぐるの強盗がトランクに隠れており、後ろのシートをけり破って車内に登場し、現金を奪うなどの話もありる。

特に同国で商業的には第一の都市といわれているグアヤキルはさらに危険で、知り合いに誘拐の話をしたところ、俺の友達の80%は誘拐された経験があると言い放つなどかなりの高確率での犯罪遭遇率となっている。

また、首都であるキトの中心には、カロリーナ公園という緑のあふれた市民の憩いの場となっている公園が存在する。この公園では、フットサルコート等でサッカーを楽しむ人、ランニングを楽しむ人、家族で談笑している人など、昼の間はとにかく平和そのものの様相を見せるが、夜となるとまさに犯罪の温床となるようである。

麻薬の売買から強盗などが闊歩している危険地帯へと一変するのである。

知人は、仕事からの帰宅の際、ちょっと怠け心がおき、公園の反対側にある自宅に帰る際、公園を迂回するのが億劫となり、横断したところ、公園の横断を完了するまでに合計3回の強盗にあい、最後は靴までというまさに身包みはがれた経験があるとのことであった。

エクアドルはコロンビアと異なり、組織犯罪というより一般犯罪に会う機会が多く、また、安全だといわれている地域でも突発的に犯罪が起こっていることから、これまた常に注意が必要である。

日本の治安

なんだかんだ言っても治安が良いというのは何物にも代えがたい、日本に関しては様々な不満はあるが、この点に関してはかなりの高い合格点、ありがたいことこの上なし。

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