コロンビアにおける家の考察 台所シンク編

南米コロンビア

ボゴタの家は皆、一部建物を除き、外側はレンガ造りで統一されており、それが木々や公園の緑とのコントラストで非常に美しい町並みを作り出している。

また、雨が降ったときも、レンガの色が濃くなり、それはそれは情緒あふれる町並みとなる。

家の中に入っても同様である。

中級クラス以上の家では、玄関や台所は大理石、床は重厚な木で日本のフローリングよりよっぽど高級感のあふれるつくり。

台所もアイランドキッチンや対面式の形式など様相は様々であるが、天板はすべて大理石などとにかく見かけは非常にきれいなつくりとなっている。

カーテンなどもおしゃれなデザイン、おしゃれな仕掛けのものが巷にあふれており、人々の購買意欲常に刺激している。

コロンビアの家はとにかくデザインは重視で見た目はとても美しいのであるが、機能として、人として生活を営むためには首をかしげてしまうのが実情である。

私が経験しただけでも驚くことが山ほどあった。

俺は今までコロンビアで数軒の家に住んだ経験があるが、その経験を数回に分けて羅列してみたい、どれも一応高級住宅といわれる部類に入るマンションで、それなりの家賃を払っている物件での話である。

コロンビアにおける台所のシンク。台所のシンクとは言わずもがなであるが、食材を洗ったあり食器を洗ったりする場所である。

コロンビアでは良く友人や取引先の人間を招いてHome Partyを開催する。

休日会社の人を家に招こうものなら、休日は家族の日という認識があるため、招待するなら一人ではない、奥さんと子供たち、はたまた、つわものに至っては、義理の両親や、いとこなどを連れてくることもある。かくいう私も仕事の関係上付き合いがおおく、休日は、BBQや日本食会などで、多くの人を家によび、おもてなしを差し上げるのだが、とにかく片付けのことを考えると憂鬱になる。

何も馬鹿騒ぎをして、床が汚れるや皿が割れるという類のものではない、あくまで非常に小さなことなのだが、片付ける私にとっては大問題である。

私の家のマンションは、ソーシャルスペースが大きく、客を50人くらいよべるようなリビングとテラスが一体化した部屋となっている。

よって、自然によぶ人間も多くなる。

そのような状況のなか、何が大問題かというと台所の食器を洗うシンクが、ソーシャルスペースや台所の広さに比し、極小なのである。

しかもご丁寧なことに真ん中で半分に分けてある。

サイズで言うと30Cm四方が二つ、真ん中に水道の蛇口という具合。

まな板も収まらなければ、大きな皿も納まらない、しかもわざわざ二つに分かれているので使い勝手の悪いことこの上なしである。

汚れた食器をつけておくこともできず、また、片方で洗い、片方ですすぐということもそもそも小さすぎて皿が納まらないので、不可能。

どうして日本のように大きなシンクで使い勝手をよくしないのかと不思議でしょうがない。

どうもこれは、南アメリカ共通の厳しい法規制によりシンクのサイズが規定されているとしか思えない、そんな規制はないはずなのだが。

今まで経験したすべての家で、大きなリビング、大きな台所、極小のシンクという矛盾に満ちたつくりとなっていた。結局自己解決するしかなく、私は、Home Centerで乳幼児の入浴用のプラスチックの浴槽を買い、Partyのときはその浴槽にお湯をはり、皿を投げ込み少しでも汚れを取りやすいように自助努力にて解決していた。

おそらく一点いえるのは、日本ではシステムキッチンのメーカーがそれぞれ繊細なことがら、機能を前面に押し出し、競合しているが、南米に来て、一度主婦に使わせれば病み付きになること間違えなし、一度その味を覚えてしまえば、絶対にとりこになる。

爆発的なヒットとなること間違えなしにて、ぜひとも日本のシステムキッチンメーカーの方には当地に進出してもらいたいものである。

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