2019年 台風15号
2019年、台風15号が千葉県に与えた損害は計り知れない。
私は千葉県に住んでいるわけではないので、不便を感じているわけではないが、一応千葉を愛している人間として報道などを見ると、本当に格差を感じてしまう。
電気がなく苦しんでいる人が数多くいる中、東京電力の非難ばかりだが、今般千葉に行くと、休日であるにもかかわらず、東北電力などと書いたおそらく助けに来てくれているだろう電力会社の車が数多く走っている。
今般の電気の不具合は倒木などによるものも多いと聞く。
倒木をどかして処理しというのはこれはもう電気会社の仕事ではないように思われる。
もう政府も対応すべき災害の規模であるように思う。
というクレームはとりあえず、言ってもどうにもならないので、横に置き、取り急ぎ、台風から一週間たった日曜日、海の家の様子が気になり、車で訪問。
格差からか報道もしっかりなされているわけではないので、食料はあるのか、水はあるのか等、本当の姿もわからぬので、取り急ぎ何かの役に立てればということで、ペットボトルの水を車に詰めるだけつみ、一路房総へ。
今般は、停電で信号なども機能していないところもあるということで、私自身は、高速で現地入りした。
家々を見ると瓦屋根の家は、大半の瓦が吹き飛ばされており、この応急処置のため、ブルーシートをかけ、砂袋でとめているという痛々しい状況であった。
また、途中電柱が倒れてしまっているところもあり、かなりひどい状況。
破損したもののごみが処理されずところどころ山積みになっており、電気だけの問題でなく、町の機能が機能しておらず、本当に被災地である。
海の家の台風による被害状況
我が海の家に上る道路は、太い枝が折れたりとしているが、大木が倒れて、入れないというほどではなく、車で家の前に横付けする。
家はとみると、まったく壊れておらず、感激する。
今まで苦労して、シロアリに食われた個所をこつこつと変えたり補強したりという苦労が報われた気がした。
家は見事に立っている。
次に電気を確認するとうんともすんとも言わない。
やはり停電は続いているようで、電気は通じていない。
冷蔵庫に近づくも遠ざかった、というのは冷蔵庫には魚釣りの餌のサバの切り身がはいっており、これがどのような状況になっているか想像するだけで恐ろしく、近づくのを躊躇させた。
次に、水道、家で蛇口をひねるも水は出ない。
それは当然か、やはりと思った,なぜならローリータンクに蓄えられた水はモーターで家の各設備に供給されており、電気がないとモーターが動かないのは当然で、家への水の供給はストップしてしまっている。
次に、台風の影響で山から家への水の供給がストップしていないか、調べてみるが、全く止まってしまっている。
一週間前、親方とあれだけ丁寧にメンテしたのに、台風のおかげでまたもや水が止まってしまった。
水源調査
これは、自分で修理するしかないと思い、山に向かうことを決意する。
まずは、かっこから。
やばい、半そでしか持ってきていない、首に巻くタオルも頭に巻くタオルもない、あるのはばか長だけ。
これでは格好の虫の餌食とのことで、コメリと同様愛してやまないワークマンで長そでの作業着と手ぬぐい二枚購入。
早々に家に戻り、まずは、長そでを着込み、首の周りと頭に手ぬぐい、したはばか長をはき、完全装備。
前の週に、親方にはイノシシのでかいのは向かってくるから、おのかのこぎりをもって山に入るようにと言われていたので、言いつけ通り、なたをもって、準備完了。
言葉で説明するのも難しいので、下手だが絵で位置関係を図解。
① 元蛇口 家のすぐ前
② 我が家側の第一の蛇口
③ 山側の第二の蛇口
④ コンクリの筒の貯水槽
⑤ ステンレスの風呂桶の貯水槽
⑥ 濁りとりバケツ1
⑦ 濁りとりバケツ2
⑧ 水源
まずは、元蛇口から一番近い、②の蛇口をひねる。
蛇口をひねると水が出る、これは、単に元蛇口と②の間の問題かとも思うが、すぐに水が止まってしまった。
これは根が深いとのことで、親方とともに入ったように山に入山、、、のつもりがちょっと登っていっただけで見たことのない風景。おそらく20M程度でもう遭難。
取り急ぎ、景色を見るために上へ上へと登っていくと台風の影響からか、木がなぎ倒された谷にでる。
谷の下からかすかに水の音がしているので、この折り重なった大木沿いに谷を下っていく。
この大木の折り重なり方は豪快で、1M以上幅のあるところをおりなければならないこともある。
しばらく降りているとなんだか見た光景が。
先般親方と歩いた谷にたどり着く。
谷を見てみると前の週には水を浄化する無残な姿のバケツが。
バケツの上にはタイルと石が乗せてあり、ゴミが入るのを防いでいたのだが、その上に木が倒れて蓋のタイルが割れている。
そのバケツにつながっているパイプからは水が流れ込んでいない。
水源を見るべく上に登ると、なんとなんと水源としていた場所の一帯は一週間前に見た姿とは全く異なり台風によりなぎ倒された木で埋まっており、それが高く積み重なっており、水源の川が倒木で埋まってしまっていた。
ここで、一週間前に親方と行った水源の清掃が全く無駄になり、また、水源も半永久的に使えず、水源を変えなければならないことが判明した。
失意のもとに、沢を降りつつ、途中の④を見るが、当然のごとく供給がないので水が注ぎこまれておらず、干上がってしまっている。。
今後の水の確保
重い体を引きずり、家に戻り、しばらく唖然。
今後のことを考えると恐ろしくなってくる。
- あれだけ大量の丸太をどかすのは不可能。
- 水がないと生活できない、上水道を引くととてつもなくお金がかかる
- 塩ビ管も結構高い、1M800円、100M引くと8万円。
一方、
- 原理は簡単、サイフォンの原理
- 水は飲み水は使わず、生活用水
- 自分で水を調達などなかりワイルド
考えれば考えるほど何となくできそうで、また、ロマンにあふれてきた。
とのことで、いろいろ考えていてもしょうがないので、次の訪問からは少し、家の手入れは一休みして水の調達、生活用水を自分で確保することに尽力することにする。
その後はいろいろ頭で水調達のロマンを想像しながら、せっせと草刈り。
この日は、山の中の遭難から始まり草刈りで、最後は15,000歩、結構肉体労働しながら歩いたなーという感じ。
夕日のあるうちに、20Lのポリタンクから水を浴び、さっぱり。
その後は、本当に日本らしく、自慢の縁側に蚊取り線香と小さなテーブル、これに小さなランタンで、後ろには徐々に色を変える日没の空に虫の鳴き声を聞きながらの本当に風流な晩酌で一日を終える。
翌朝は雨が激しく、電気もないため、電動工具を使い家の中の改装もできず、早々に家族のいる東京に戻ることにした。
次回からは生活用水の確保。
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