基本的にコロンビア人はビールが大好きな民族である。
アグアリディエンテという地酒もあるが、地酒派とビール派に別れ、ビール派は、5本、10本と時間をかけて、昼夜を問わず、何時間でも飲み続ける。
普通の酒屋には、プラスチックの簡単な椅子とテーブルが用意されており、そこで、様々な世間話に花を咲かせながら、次々にビールのボトルを開けていく。
スーパーなどで販売されている現地のビールは有名なもので、クルブコロンビア、アギラ、ポッカーがあるが、この順番にライトになっていく。
日本の生ビールが世界で一番おいしいと思っている私には、どの銘柄のビールであれ、缶のビールはなんとも物足りない。
ただ、さすがビール好きの国だけあり、街中には数々のフランチャイズされたビアバーがあるが、中でも私が個人的に最もお勧めなのは、Bogota Beer Company、略してBBC、日本語では、ボゴタビール会社というなんとも事務的な名前であるが、名前から店の雰囲気を想像すると大きな間違いを犯すこととなる。
店の雰囲気は、非常に洗練されており、ヨーロッパのビアバーの様相を呈している。
ボゴタビアカンパニーは自分たちでビールの醸造所を持ち、様々なビールを生産しフランチャイズ化された街中の自分たちの店で、そのビールを出すバーを経営している。
ビールの種類も豊富であり、それぞれのビールにはコロンビアの都市の名前がつけられている。
陽気なラテン民族を代表するコロンビア、国は貧しくても家族や友達のつながりを大事にして、幸福度世界でもトップ3に入る国、御多分に漏れず、店に入ると店員は皆、満面の笑顔で迎えてくれ、席に案内してくれる。
オーダーも笑顔とともに快く受けてくれる。
難点といえば、快くオーダーを受けた割には、実際にものが出てくるのが、非常にゆったりとしており、早く乾杯をして渇いたのどを潤したい私としてはなんとも耐え難い時間となるが、そこもまた文化の一部と割り切り、気長に待つことにしていた。
また、追加の注文などで、店員さんに用があるときは、実際に用を頼めるまで、かなりのハードルがある。
なぜなら店員さんは全く周りを見ないので、なかなか気づいてもらえない。
この対策として私はいつもチップを多めに払い(多めといっても5ドル程度)、名前を覚えてもらい、常にこっちを向いてもらうべくたゆまない努力を続け、1年程度たつと、目があっただけでよってくるようになるまでの常連になりあがった。
店内の音楽は、自分たちでラジオ局を経営しており、アメリカンロックを中心に私的にはセンスのよい選曲でビールに花をそえている。
HPよりいつでも音楽を聴けるので、是非試してほしい。
メニューはというと、通常の生ビールから黒ビールまで、オレンジの皮で香りをつけたものや、パクチーで一風変わった風味のものなど様々な種類のビールを扱っているが、中でもお勧めは黒ビール。
世界的に有名な黒ビールであるギネスに勝るとも劣らない芳醇な味わい。
また、つまみは、手羽先の揚げたもの、通常は、アグリデユルセという化学調味料と砂糖をふんだんに使い混ぜ合わせた非常に甘ったるいソースに絡めて持ってくるが、はっきりいって、これはまずい。
よって、アグレデユルセ抜きの単にから揚げがお勧め。
もう一品のお勧めである、タコスは、アボガドとチキンがふんだんにのっており、味付けもパーフェクト。
コロンビア人の陽気さを肌で感じ、渇いたのどを潤したいならば、是非このボゴタビアカンパニーでビールとつまみをオーダーし、乾杯がおすすめのプランである。
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