靴を脱ぐという事

中米メキシコ

アイキャッチ画像のように、日本では、土足厳禁というようなことはよく見かけるが、メキシコにおいてはどうも靴を脱ぐといいうことがあまり好ましく思われていないようである。

海外にきて、靴を脱ぐという動作が、日本ではとても多いことを痛感する、逆にいうと海外において、靴を脱ぐという動作がそれほど多くないことに気づく。

メキシコでも、通常の家庭では、家の中では靴をはいて過ごし、お風呂に入る時や寝るときに靴を脱ぐという感じである。

例えば、家に帰ったときに靴を脱ぐということは明らかに気持ちいいことであるのになぜ脱がないのか、とても不思議に思っていたのだが、実はその理由は、靴なしの裸足、または、靴下をはいただけの素足に対する衛生感覚の違いなのではということを感じた出来事があった。

それはジムで運動をしていた時のこと、当然のごとくジムは運動シューズ着用義務である、こちらではテニスと呼んでいる。

日本のジムでは、外を歩く靴とジムで使用する靴は分けなければならないのだが、メキシコでは、外ではいた靴をそのままジム内でも使用できる。

また、日本のジムでは、トイレではトイレ専用スリッパに履き替える、またゴールドジムのようないかしたジムでは、靴のままスリッパをはけるような特注の大型スリッパが用意されており、トイレにおける不浄の床と神聖なジムエリアの床が、同じ靴使用による汚れのコンタミネーションが起きないように最新の注意が払われている。

メキシコでは、外もトイレもジムもすべて一緒の靴である。

これを聞くと日本人の私からすると汚いように思われるが、そもそも、外の靴を、家の中でも家のトイレでも同様の靴を履いて過ごしているメキシコ人にとっては、ジムも同じなのであろう。

このようなことをよく考えず、私は、ストレッチをするために、ジムで柔軟用のマットを引き、テニスを脱ぎ、柔軟体操を始めると、ジムのトレーナーがやってきて、「土足厳禁だぞ」というので、私は靴を脱いでるだろというと帰っていった、ただ、脱いだ靴の靴底がフロアについていたので、それを注意されたのかと思い、靴を逆さにして靴底がフロアに接しないようにして置いた。

再度ジムのトレーナーがやってきて、「どんな時も靴をはけ、靴を脱ぐのは許されていない」という、スペイン語の詳細は割愛するが、実は先ほどの注意も「靴を脱ぐのはだめだ」という注意であったらしい、私の先入観のなせる技が、スペイン語の否定形を聞き漏らし、全く別の解釈をしていたのである。

私は2回目に来たトレーナーに「この靴は外でも使用しているし、トイレにもいっている、その靴を履いたまま、座ったり寝たりして体をじかに接触させるマットに靴のまま乗ってもいいのか」というと、「いい」といい、靴を脱ぐのは「きたない」という。。。

私は、言われるがままに靴を履いたままストレッチを行った、外ではいている靴を使用しているため、マットの素材との関係もあり、やわらかいスポンジのような繊維の隙間に靴についていた細かな埃の粒子が入り込み、見事に多くの靴跡をつけている、これでも、靴を脱ぐほうが汚いと、、、私を侮辱しているのかとも思うのだが、ルールはルールである。

確かに一理ある、運動し、汗をかいた足をマットの上にのせる、確かに汚いかもしれない、ただ、足の裏は、だらだら流れるような汗はかくことはないし、おそらく、靴下も濡れない、それと、外を歩き、もしかしたら犬のふんを踏んでしまった過去を持つ靴かもしれないし、または、トイレには、特に男性用のトイレに行くと小用の便器の前でよくみられる光景だが、ちょっと垂れて濡れているときもある、そこにその靴は接触しているのである、この靴の靴底とちょっと汗をかいた裸足、さてさてどっちが汚いものか。。。

いずれにせよ、メキシコにおいては、靴なしということは、汚いとみられるということであるようである。

日本人のように気を遣う民族は、靴が汚いからと場を汚さないための配慮により靴を自発的に脱ぐような気持ちになる場面もあるかもしれないが、メキシコにおいては常に靴を着用して、生活する、自分の身体において、靴を履いているのがデフォルトという心持で生活するのが無難に過ごすコツの一つであると思われた。

尚、参考までだが、服は別の次元の話のようである、町中には、それ、下着ではないですかという格好で歩いている人々をたまに見かける。。。。

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