結婚10周年と富士山
早いもので、奥さんと結婚して10周年。
奥さんと結婚したことでこの10年様々なところで成長している自分がいる。
家事は10年前と比較すると格段に進歩、料理はもとから得意だったのでおいておくとしても、皿洗いや服をたたむことや掃除することなどは、10年前の五分の一の時間で同時並行にマルチタスクでこなすことができるようになった。
また、心の成長、ちょっとやそっとの理不尽なことには動じなくなり、また、怒るということもなくなった。
会社が理不尽だという人はたくさんいると思うが、外国文化で育った、しかも、とてつもなく強い奥さんと過ごしていると、会社での理不尽等理不尽と感じることがなくなり、かなり心が大きくなったような気がする。
また、一方で怒るという行為に関しては、その無意味さをこの10年の結婚生活でしっかりと痛感している。
怒ると倍返しどころではない返しが返ってくるため、怒るのは損である、と悟っている。
ただ、それでも怒ってしまうこともあり、その際は必ず、反撃の痛き目にあい、当然のごとくそのたびに怒りはコントロールしようと心に誓うのである。
世の中には、すぐに切れる人や怒る人がいるようであるが、そのような方たちはすごくできた奥さんと生活しているのではとうらやましいと思う。
延々の前置きだが、このような奥さんと10年間過ごしてきて、結婚記念日は平日であったので、休日、10周年記念旅行をすることとした。
勿論子供も楽しめるところ。
子供は日本一の山、富士山に行ったことがなく、また、日本人の心のよりどころである富士山訪問し、子供に日本人としての意識を育てるとともに、私自身も日本人男子として、外国の奥様と10年間生活できたこと、すなわち日本人としての忍耐力に感謝する意味でも、富士山にお礼を言いに行くこととした。
いつもの通り、我々家族はあまり、縛られるのが好きではないため、自炊ができる(もちろん料理は私、片付けも私)施設を好む傾向にある。
このような中、民泊を活用することとした。
今般予約したのは富士山が一望できるという日本家屋でとても清潔そうでよさそうな家。
ただ、家族四人ではもったいないので、親戚のおばちゃんたちも誘い、男は、私にワイヤにタタの3人、女性は奥さんを含め、高齢のおばちゃんたちで、合計5名というちょっとした大所帯となった。
富士山世界遺産センターと富士山五合目
土曜日の朝、冬のはずなのに本当にきれいな秋晴れでとてもよい富士山訪問日和となった。
車は2台、一台は私の家族と私の母親で合計5人、もう一台はおばちゃんたちが乗り合計3人。
出発場所も離れているので、河口湖畔に近いパーキングエリア谷村パーキングに11時ということで取り決め、現地集合とした。
我が家のワイヤは現在、歌に凝っており、趣味は音楽鑑賞である、ただ、音楽鑑賞と言っても、2曲のみ、1曲はパン屋さんでお買い物という歌、もう1曲はミックスジュースという歌、おっさんのくせにラップやヒップホップが好きな私は、韻も何も踏んでいないこの普通の子供の曲に逆に頭がくらくらしてくるぐらい繰り返し聞いている、この曲を何度も聞いているうちに会社で仕事しているときにもたまに自然に頭の中で流れてきてしまい、ある種中毒性のある音楽ということで、ちょっと注意が必要である。
いずれにせよ、文句のつけようのない秋晴れの絶好の富士山訪問日和の中、パン屋さんにおかいものとミックスジュースを聞き続け、トランス状態で運転し、幸い渋滞もなく、目的地のパーキングエリア近くに来る。
高速運転中のため、私自身が電話ができず、母親にもう一台の車に電話をしてもらうと、なんと、50分遅れと。。。。
やはり高齢のおばちゃんの時間に対する感覚は信じられない。
残された時間で言うと、順番で言えば私の方がよっぽど長く私がのんびり、おばちゃんたちがせっかちであってよいはずなのに、実際は、おばちゃんたちのこのおおらかさ、是非是非身につけたいものである。
パーキングで長時間子供を遊ばせるのも危険なので、河口湖畔のどこかで遊んで待とうと思い、そのように連絡し、河口湖インターで高速を降りる。
河口湖インターから出るとすぐに、富士山世界遺産センターという施設が目に入った。
そこであれば、なにかしら子供の勉強にもなると思い、そこで待つこととした。
あまりメインなシーズンでないのか、駐車場はがら空きで、駐車場でお金もとられない。
二つのメインな建物からなり、立派な造りであるにもかかわらず、入場料などもない。
中に入り、二階に上がると天井を覆いつくす富士山のオブジェがあり、これが季節や時間による色の変化を照明で演出している。
かなりきれいで凝った造り。
模型の富士山を一周した後、一階の資料の展示場にいくと、そこは富士山の山岳信仰の由来などかなり勉強になる内容で、また、オブジェなどもふんだんに作られており、見るものを飽きさせない。
本当に工夫されている作りで、子供も奥さんも大喜びである。
次に外にでて、階段を上り、屋上のテラスに行くと、そこからは富士山が一望できる。
きれいな富士山との最初の遭遇に一同感動。
写真を撮りまくり、そこで電話が鳴り、おばちゃんたちの到着である。
おばちゃんたちと合流後、運よく全面開通中の富士スバルラインで富士山の五合目へ。
富士山のスバルラインは積雪や天候の状況により冬の間は開通したり、閉鎖したりと、この時期に全面開通はラッキーだなと思いながら、20Kmの道のりを上っていく。
5合目駐車場に着くと、やはりシーズンでないのか駐車場も空いており、誘導員の方の指示に従い車を駐車。
5合目は、かなり寒く、しかも風も非常に強くとばされそうである。
このような中で一日中車の誘導をしている誘導員の方の仕事はとても大変だなと思う。
風がとにかく強く、子供がとばされないように注意しながら歩き、5合目の売店で昼食。
味ははっきり言って。。。。。。。。。。。。。
お店の方の態度もはっきり言って。。。。。。。。。
それはそれは何もしなくても常にお客さんが来るし
、競争も激しくないしということで、完全なる独占商売で独り勝ち。うらやましい限り。
昼食後は風も強いので、記念撮影のみ。
オリンピックに参加することに意義があるというような言葉のように、5合目に行ったことに意義がある、子供たちが初めて5合目に降り立ったことに意味がある、とのことで、この訪問の意味づけを行い、下山。
民泊でとった宿へ向かう。
細い道を迷いながら進んでいき、最終的に予約の日本家屋へ。
車を入れると触れ込み通り、最高のロケーション、前に遮るものが全くなく、富士山を一望できる。
まずは、荷物などをすべておろし、家の中を探検。
2階は使用禁止とのことなので、一階のみ探検、かなりきれいな和室が3部屋ほどあり、それに、洋室風のキッチンとリビングがついている。
キッチンのお皿や料理器具を調べてみると、その点はちょっと物足りない。
いずれにせよ、荷物を置き、部屋の探索を終え、あるものないものを調査した上で、買い出しに一人のおばちゃんと向かう。
近所のスーパーだが、かなり小型で、あるものが限られているが、料理に使う調味料や、飲むためのアルコール等を買い出し、ケーキ屋へ。
おばちゃんずが、ケーキを10周年のお祝いに一つ、ワイヤの幼稚園合格に一つと買ってくれた。
必要な食糧とケーキを持ち、家へ帰宅。
家の中は、幼子二人が駆け回り、恥じらいも何もないおばちゃんたちが大声で話しまくり、奥さんも片言の日本語で会話に参加している何とも平和な光景が広がっていた。
ちょうど家に着いたときに、夕暮れ時となり、きれいな紫色の夕焼けが富士山にかかる雲を染め、とても神秘的な風景を作り出している。
この風景のために、かなり高い民泊を独占していたので、おばちゃんたちと子供たちを呼びだし、記念撮影。
ただ、毎度のことながら奥さんは準備が遅く子供に完ぺきに防寒装備にしなければ一瞬たりとも外に出さないという対応で、きれいな夕暮れの写真には間に合わなかった。。。
きれいな夕日の富士山に写真に見事に収まったのはおばちゃんたち。
おばちゃんたちと富士山の写真、我々夫婦の記念旅行なのかどうかわからなくなってくる。
その後私は、通販で購入していた大量のずわいがにをさばき、最近はまっているダシダのインスタントスープで作るコムタンを大鍋で作り、飲みに突入。
子供たちと遊びながら、満腹になり、酔っ払い、大満足で布団に入った。
五湖と樹海と風穴巡り
翌朝は、皆朝早い、さすがおばちゃんたちと子供たち。
こちらの二日酔いなどお構いなし。
準備をさっさと整え、車に乗りこみ、富士五湖巡り。
河口湖や山中湖は有名だが、私は比較的奥地にある西湖や精進湖が好きで、そのあたりを訪問しながらそれぞれの場所で記念撮影。
湖+富士山+奥さんとワイヤとタタ+おばちゃんたちという組み合わせの写真が無限に増えていく。
その後、変化を求め、青木ヶ原樹海へ。
青木ヶ原樹海に入ると、私の母親が、仲の悪い父親を引き合いに出し、ここにお父さん連れてきておいてっちゃおうか等と笑っている。
本気とも嘘とも区別のつかない不敵な笑み、私はつっこまずに、そのままスルー。
風穴へと向かう。
風穴は、地下にできた地下洞窟で、夏でも天然の冷蔵庫として自然に氷が存在するような不思議なところ。
是非子供たちを連れていきたいと思い、訪問。
ただ、この氷穴はかなり足場が悪いところもあるので、一人足の悪いおばちゃんは無理かなと思い、レストランででも待っててもらうように考えていた。
現地に行き、氷穴の入り口まで本物の青木ヶ原樹海の中を3分進む。
私は子供を連れていたので、寄り道ばかりで当然3分ではたどり着かない。
ただ、この樹海、やはり溶岩で起伏が激しく、その上にうすくかけられた土の上に木が踏ん張っているような、かなり独特の雰囲気で、ここで自殺する人もいるのはよく理解できた。
いずれにせよ、入場料を払い、氷穴へ。
氷穴の前に行き、急な階段をみせ、足の悪いおばちゃんに入らないで待ってればと勧めると、どうも姥捨て山の雰囲気を感じ取ったのか、がぜん一緒に行くと言い張る。
結局一緒に行くこととなった。
階段を下りていく途中で、親切な若者のグループが入り口で借りたヘルメットを貸してくれた。
備品としてあるようなのであるが、我々が料金を支払ったときにはヘルメットはなく、この氷穴はところどころとても低い場所があり、頭を打つ可能性もあるということで、おばちゃんたちがヘルメット着用。
髪型も何も気にしないので、ヘルメットを無造作に着用する様は、炭鉱に入っていく炭鉱夫の様。
いずれにせよ、氷穴に潜っていき、自然の氷を見て、昔使われていた種の保存庫などをみて、最終的に足の悪いおばちゃんも脱落することなくこの小冒険を終えた。
全くの非日常の世界に大満足である。
足の悪いおばちゃん、死ぬ前に見れてよかったなどとのたまっていたが、全くまだまだ元気で、サラリーマンとしてストレスにさらされている私のほうが早くくたばりそうなくらいだと心のなかで思う。
ここで、すべての日程を終え、帰宅の途に。
私は一刻も早く帰って子供と昼寝したかったのだが、おばちゃんたちはパワー全開でほうとうを食べてから帰るという。
行きと同様、結局現地で解散し、我々家族は帰宅の途についた。
特段渋滞などもなく幸せな気分で帰宅。
子供たちは、家まで持たず、車で爆睡、私の家に帰ってからの昼寝の夢が消えた。。。
当然のごとく夏もいいが、冬の富士山の魅力もとてつもなく、やはり富士は日本一の山という歌は正しいと実感し、結婚10周年の記念旅行を終えた。
10年後、20周年はどうなっていることやら。。。
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