山梨県 -日本の伝統にのっとった七五三を祝う-

家族

子供の教育で、、、

教育というほど、立派な事でもないのだが、気を付けていること、それは、四季の移ろいを感じること、また、年中の様々な行事はしっかりと行うということである。

日本は、この四季を感じ、年中行事を行うということには、数多くのイベントが用意されており、事欠かない。

南米など一年を通じて温暖な気候や東南アジアで一年中常夏等、様々な国があるが、日本で育った私にとっては、春夏秋冬のうつろいを感じながら、イベントや生活を合わせていくというのは、日常の一部であると同時に喜びである。

南米出身の奥さんや子供たちにもそのような日常の楽しみを感じるような感覚があれば、日常生活の中でも喜びを感じる機会が増えるので、意識して行っている。

ただ、四季を感じるイベントと年中行事ということであるのだが、その両者には、あまり明確な線引きはなく、なんとなくそれぞれの時期を楽しんでいる感じである。

1月は、神妙にお正月を祝い、雪にふれる機会を作る。

2月は、節分で鬼を成敗し、まだまだ寒いので、雪にふれる。

3月は、春めき、ウキウキしてきたところで、桜の美しさに酔いしれる。

4月は、桜が散ることにはかなさを感じつつも、新年度の期待に胸を膨らます。

5月は、ゴールディンウィークで長期の休みで、気候もよく自然を楽しむ。

6月は、ちょっと暑くなりつつあるが、釣りや浜遊びなど夏本番に備えた基礎作り。

7月は、夏本番、海に山に自然を遊びつくす。

8月は、、、、も、、、7月と同様、夏本番、海に山に自然を遊びつくす。

9月は、過ぎ去る夏を惜しみつつ、秋への期待。

10月は、秋の訪れ、変わりつつある森の色に目を見張り、収穫をしながらハロウィンを祝う。

11月は、秋本番、冬に突入する前のしっぽりとした澄んだ空気を楽しみながら、冬突入前の最後のBBQ等を楽しむ時期、さらにハロウィンが終わった後は、もうすぐにクリスマスモード突入。

12月は、クリスマス一色、家の中もクリスマス一色、話題もクリスマス一色、まさかイエス様もここまで後世の日本の一般家庭で、自分の誕生日が楽しみにされるなどと思ってはいなかっただろうと思われる。とにかく、12月はクリスマスフィーバー。

七五三のお祝いプラン

その中で年単位のお祝いという考えはちょっと私の頭から抜けていた。

我が家は男子二人、ワイヤとタタとちょうど七五三真っ盛りの子供たちである。

私の母親が何も言っていないのに、しっかりと七五三を祝うと宣言してくれ、我が家でもその重要性をしっかり認識し、月次イベント並みに七五三の株は急上昇、しっかりとお祝いをする準備を開始した。

七五三は、日本のお祝いなので、あまり突拍子なこともできないし、すべきでもないので、ただ、一般的な取り進めに従うこととした。

家族で写真をとり、神社で神様にお祈りをささげる、なんともシンプルであるが、日本の神秘に触れる良い機会であり、心が躍る。

どこで祝うか、それは山の家でしょうということで、奥さんとはすぐに合意。

実は山の家のそばには、駒ケ岳神社という神社がある。

この神社、あまり有名ではないようなのだが、私は個人的には大好きな神社、山の斜面に建てられており、人も少なく、一方で、その神社の裏には、さまざまな巨石が配置されており、大きな剣やら下駄やら荒々しいことこの上なくクール。

横手駒ケ嶽神社 (白州町横手)

おそらく二十数年前となるが、山の家の地鎮祭も、駒ケ岳神社の神主様に行っていただいた。

とのことで、さっそく駒ケ岳神社に電話をすると七五三のお祝いをしてくれるという、ありがたいことこの上なし。

次に写真館の予約、写真館は山ほどあるが、我が家は、お金があるときや時間がひっ迫しているときだけに使う高速道路の須玉インターチェンジのそばにある写真館にお願いすることとした。

すぐに予約をとることができこちらもありがたい。

この七五三のイベントに紐づけた上で、今回の山の家への旅程を組む。

11月の飛び石連休をうまくつなげる、月曜日に休みをとれば四連休、とのことで、いつもの通り月曜日は会社にお休みの届を出し、4日間の日程を確保。

予定としては、

土曜日ゆっくりと出発、この日は何もしないベースで、移動だけ。

日曜日、衣装合わせに写真館に訪問。

月曜日、写真館での撮影と神社へのお参り

火曜日、渋滞に巻き込まれないように午前中の早いうちに移動

まさに、トップモデルのような、撮影のためだけの4日間、ワイヤとタタのモデルデビューには格好のスケジュールである。

出発の土曜日

土曜日、文字通り、本当にゆーっくりと移動。

奥さんの行動を知り尽くしている私は、朝からその日は、移動のみと考えると決めていた。

結婚して約12年、今までそのような優雅な時間の使い方の日程を組んだことはなかった、いつも楽しみ尽くそうという私は、時間を無駄にしないよう、最大限楽しめるようしっかりと予定をたてるのだが、奥さんは説明はして、理解はしても、行動はどこ吹く風で、奥さんのペースに合わせていると、常にプッシュして、イライラして、気分悪くなり、ということを凝りもせず繰り返している。

本当に今般初めてそのようなゆっくりとした予定を組むと、あら不思議、奥さんがどんな牛歩戦術を使おうと全く苦にならない。

結婚後12年目にして初めて平和な移動ができて、喧嘩がなくしあわせだなと思った一日であった。

イライラしなかった代わりに、移動は一日かかった、約170KMの移動に、朝9時出発の予定で着いたのが、20時なので、11時間、時速15Km程度、調べてみると乗り物であれば、ママチャリ、興味がわき動物に例えると、ニワトリかラクダといったことらしい、我が家の移動手段は車であるはずなのだが。。。。

何にここまで時間がかかったかは、しょうもないことなので、すべて割愛。

日曜日 神社への挨拶と公園と写真館での衣装合わせ

日曜日朝、前日は移動しかしていなかったので、全く疲れもなく、子供に併せ早朝から起床。

起床後簡単に朝食をとる。

実は写真館での衣装合わせは、16時からとのことで、かなりの時間がある。

まずは、神社に行き、次の日の神事のあいさつに。

とてもやさしそうなご婦人に対応頂き、この事務的なやり取りのみで神々しさを感じてしまった、やはり、駒ケ岳神社、素晴らしい。

この後、写真館での衣装合わせまで、私たちは公園に遊ぶことにし、新たな公園の開拓を行った。

インターネットで色々調べると、山梨県は、公園のレベルがかなり高いらしい、確かにハロウィンで訪れた笛吹フルーツ公園や道の駅南清里などは素晴らしかった、今般は、この公園大国の山梨県において遊具一番を誇るという御勅使南公園という公園を訪れることとした。

御勅使南公園

しかし、この公園名、読めない、、、読み方は、「みだいみなみこうえん」と読むらしい。

御は「み」とは読めるが、勅が「だ」、使が「い」と読む、これ、もうネイティブの日本人にとっては不可解極まりなく、一方、ノンネイティブの外国人にとっては嫌がらせのような読み方である。

ただ、漢字自体は、畏れ多い文字が使われており、どの様な公園なのか期待が膨らむ。

時は昼時、公園でランチを食べるために、我々は公園近くのマクドナルドをしらべ、そこへ突入、ドライブスルーでランチを購入、公園へと急ぐ。

公園につくと、とてつもなくよい時期、というのは、紅葉真っ盛りで、ちょっと時期も遅く、まさにイメージの中の晩秋。

晩秋の森と川に挟まれた平地に陣取り、マクドナルドの食事をほおばる、我が家はマクドナルドファミリーではないのだが、本当に自然の中で食べるマクドナルドはおいしいもので、一気に食べてしまう。

食べ終わるとさっそく、ワイヤが野獣となり、しっかりと手入れされた芝生の上をよつんばいで、野生の息吹の赴くままに、縦横無尽に走り回り、タタもそれをまねしてついていこうとしているいつもの光景、

たまにワイヤによるタタへのアタックが強くタタが泣いている。。。

いつもの光景。

よっぽど力が余っているのか、子供たちを遊具の場所に連れていく。

感動。。。

全く誇張のない売り文句、ここまで誠実に言う必要もないのにというほど、素晴らしい遊具が広い敷地内に散らばっている、しかも、先にも書いた通り、時期は最高、落ち葉に覆われた地面と色とりどりの枯れ葉をつけたままの立ち木にかこまれた森の中に、素晴らしい遊具があふれている。

ワイヤもタタも、それら遊具を目にしたとたん、スタートゲートの空いた競馬場の馬のように一目散に散っていく。

その後、様々な遊具を遊びつくし、紅葉の美しさに奥さんと写真をとりまくり、Time Up.

そろそろ、ワイヤプロとタタプロのモデルとしての本業、衣装合わせである。

写真屋さんにつくと、様々な衣装が輝いている。

写真屋さんのプランを聞くと、一回衣装替えができるらしい、衣装の種類は、和装、洋装、侍の傾奇者という3種類らしい。

私はどれでもよく、ワイヤとタタに聞くと、どちらも洋装ではなく、和装でもなく、侍の傾奇者が良いらしい、彼らの七五三なので、こちらは全く異存なし。

ただ、家族写真があるという、傾いた侍二人に、私と奥さんのスーツというのもなかろうということで、悪乗りし、我々も和装で決め込むこととした。

追加出費となるが、人生一度の良い思い出ということで、衣装選びをし、あくまでオブザーバーだった私と奥さんも舞台へあがることとなった。

衣装選びを終え、家に帰り、家では、七五三の前夜祭、さすがにBBQは寒くなってきたので、断念し、ホットプレートで、ワイヤとタタの大好きな骨付きカルビ焼き、これまでの健やかな成長と今後の更なる健やかな成長を祈る儀式を翌日に控え、我が家は幸せのままに翌日を迎える。

月曜日 写真館での撮影と神事への参加

翌朝、写真館の予約時間は、9時半である、時間が決まっている、このような日にもかかわらず、奥さんはかなり牛歩、焦ってばかりいるこちらといういつもの構図。

やっとのことで車に乗り込み、カーナビを見ると、到着は、9時35分に到着の予想、いつもの事である、私は必至こいて運転し、なんとか9時30分ちょうどに到着、この綱渡り感、いつも心臓に悪い。

息を切らしながら写真館に飛び込み、記念すべき七五三の撮影会の開始である。

まずは、ワイヤと奥さんの着替えが同時並行で行われる。

奥さんは、髪を直し、着物姿に。

髪をしっかりと整え、化粧を完璧に施し、着物をびしっと決めた奥さんは、とても綺麗なのだが、何かその表現だけでは物足りない、なんというか、迫力がある、この迫力、どういえばうまく伝わるのか、そうか、つまるところは極道の女たちのような迫力である。

ワイヤはというと、着付けをしてくださる女性二人になすがままに素直に着替えをされている、着替え途中でもIphoneで写真撮影していると、それぞれ要所要所でポーズを決めてくる、親ばかながら、どうもモデルの才能があるようだと考察する。

ワイヤの着替えが終わる、初めて髪を整え、着物で決める、もう無茶苦茶かっこよく、父親ながらあこがれてしまった。。。

次にタタの着替え、タタはと言うと、着付けのプロの方二人に囲まれ、緊張気味、緊張すると口をとがらせる癖があり、着替えが始まったとたんに口をとがらせている。

時々、タタの名前を呼びこっちを振り向かせようとするも、なかなかいうことを聞かず、此方は、モデルの才能はないようで、あくまで硬派で押し通すつもりのようである。

ただ、抵抗はせず、素直に気付けをされており、着付けが終わったタタ、こちらはかっこいいというより、可愛くて、父親ながら恋してしまった。。。

最後に私の着付けである、いざ着付けをされる側になると、私は、タタに近いことが分かった、ただ立って着物を着せてもらうだけなのであるが、何となく緊張、顔がぎこちない。

ともかく家族みんなで着替えを終わり、写真撮影のスタジオへ。

スタジオには兜やら剣やら小物が置いてあり、それぞれを手に持ち、七五三の主役であるワイヤだけの写真、タタとワイヤの兄弟写真、家族写真と進行する。

カメラを向け、笑ってなどとカメラマンの方が指示を出すと素直に従うワイヤ、こなれたモデルのような対応、一方、何を言っても口を尖らせた仏頂面のタタ、後になってわかるのであるが、兄弟写真で二人が見事に笑顔を向けている写真は残念ながら一枚もないという結果。

ただ、正装をした家族写真はいい思い出、何十年後かにとても貴重な家族記録となるであろう。

途中、ワイヤとタタのみ衣替えをし、再度写真をとり、約1時間で撮影終了。

撮影終了と共に、子供たちは着物を着たまま、大人たちは普段着に戻り、車に乗り込み、駒ケ岳神社に神事を行っていただくために向かう。

向かう途中、いつも親切にしてくれるキャンプ場のオーナーに是非二人の晴れ姿を見せたくなり、突然お邪魔する。

いつもいつも親切なオーナーは我々の突然の訪問にも関わらず、温かく迎えてくれ、一緒に写真を撮らせていただいた。

子供たちが大きくなっても、しっかりとオーナーの親切に感謝できるようにきちんと写真を残しておく。

キャンプ場での記念撮影を終えたところで、神事を行う駒ケ岳神社へ。

約束させていただいた時間通りに神社に到着すると、神社の横に立つご自宅に入れていただき、お菓子とジュースをいただいた。

先のご婦人が、お菓子は、お下がりものだからとおっしゃられて、くださった。

子供たちはいくつも手を付け、奥さんも相乗りしていただいている。

私自身この年になり、日本の常識を身に着けておらず恥ずかしいのだが、この、お下がりものの意味を後で調べると、神様にお供えしたもので、それをありがたくいただくということらしい。

私も食べておけばよかったと思うと共に、異国の異なる宗教の元で育ったにもかかわらず、本能で、ありがたいものをかぎ分け、しっかりと食した奥さんの勘には閉口する。

その後、神主様が正装で呼びに来られ、家からでて、本殿へ。

本殿に入るのは初めてで、これまた、なんともいえぬ感動である。

本殿では、ワイヤの健やかな成長を神様にお祈りしてもらい、神主様よりはその作法につき、お教えいただき、ただ、情けないかな、いい年した私もしっかりと行えたとは言えず、一方、ワイヤもタタも奥さんもしっかりと真似しようと努力していて、やはり、日本人としては、神事や仏事にしっかりと知見を持つことが教養のある大人なのだなと思い、機会あるごとに子供たちには体験させていこうと思った。

一連の神事が終わると、神主様が袋一杯のお菓子を、ワイヤだけでなくタタにも下さり、また、写真までとっていただけるという親切を頂戴し、恐縮しっぱなしであった。

すべて終わった後、迫力のある神社内の様々な場所で写真を撮らせていただき、終了。

駒ケ岳神社の大剣の前で。
駒ケ岳神社境内の大木と共に、、、周りには見事な紅葉の木々が。

本当にこの駒ケ岳神社での神事はありがたく、今後の神事はすべて駒ケ岳神社にお願いすることとした。

いずれにせよ、大満足で、着物を返しに行き、すべての行事は終了である。

この後は、普通に夜を過ごし、翌朝予定通り朝の早い時間に移動し、渋滞に巻き込まれることなく帰宅。

尚、七五三の写真が出来上がってくるのは、1か月くらい先らしい、、、七五三のピークの時期のようでなかなか時間がかかるらしい。

待てば待つほど楽しみは増すというが、強欲な私、すぐに見たくて見たくて仕方がない。。。

母親の発案で無理やり始まったような七五三のお祝いであるが、行ってみるとすべてが良い体験となり、やはり亀の甲より年の功ということを実感した出来事となった。

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