究極候補の出現
色々な不動産屋さんのホームページを見たり、実際に足を運んだりしながら、ある不動産屋さんのホームページに一軒の古家を発見。
古民家というわけではなく、本当に古い家という感じ。
その不動産屋さんに連絡し、実際の見学をお願いした。
ホームページで見る限り、家は限りなく古く傷んでいる。
ただ、土地が1000坪あり、土地には、みかんやキンカンなどの果樹、それに平地と丘という土地構成で敷地からの眺望は、本当に大自然の中にポツンと一軒という感じで、限りなく奥さんから言われている条件に近いように見えた。
Googleの航空写真で見てみると、そばには川が流れており、近隣に住宅はあるけどそれほど気にならない感じ。
それはそれはきれいそうな場所で何か期待させるものがあったので、わくわくしながら、あくる土曜日11時に南房総のとある道の駅で待ち合わせ。
この時、奥さんと子供たちは、奥さんの実家の海外で、一人で悠々自適の不動産の物色。
楽しくてしょうがない。
アクアラインの魔力
渋滞で遅刻すると困るので、その日は3時間前に家を出発し、アクアラインを通り、東京湾を横切り、一路房総半島へ。
本当に不思議なのだが、アクアラインを通ると本当に全く別世界へのワープ移動をしているような感覚にいつもなる。
高層ビル群が乱立している臨海道路から、浮島ジャンクションを経て、海の底へもぐり、海ほたるで地上へでて、その後は木更津に海の上の長い橋を疾走し、途端に大陸的な雰囲気を持つ自然のあふれた房総半島へ。
大都会のビル群と大陸的牧歌的な風景の広がる場所が、海の底と海の上という特殊な道路でつながれて、10Km程の距離で隣り合わせで存在しているということ自体、信じられない。
時間にして30分以内、距離にして10Km以内、料金にして1000円以内、これでこのような体験ができるなどアクアラインはまさに魔法。
物件の実地検証
アクアライン賛歌はこれぐらいにして、南房総のとある道の駅で不動産屋さんと待ち合わせ。
実直そうな方お二人。
お二人の車について、どんどん山の中へ。
カーナビで確認すると、物件は、ちょうど太平洋と東京湾の中ほどの房総半島の真ん中あたりに位置していた。
家に近づいていくとどんどんどんどん自然あふれた風景になっていく。
県道から横道の舗装されていない道にはいり、そこから山道のような細い道を30Mほど上がり最終的にお目当ての物件へたどり着いた。
ちなみにその登った山道も土地の一部ということが分かったのは後のこと。
とにかく、家の前に車をとめ、家を見ることに。
家はとにかく古く、かなり傷んでいる外観。
築何百年というような荘厳な古民家という響きより、かなり古い昭和の家、ちょうど私が子供のころにどこにでもあったような家であった。
そもそも、その家は、昭和35年に建てられたもので、大工さんが自分で作ってずっとご自身で住んでいた家だとのこと。
生活の変化に合わせて増築していたのがよくわかる、増築に増築を重ねたつぎはぎだらけの家。
こぎれいな別荘としての魅力は皆無だが、子供たちとの秘密基地建設という意味では、外見だけでかなりのファイティングスピリットを刺激される物件。
外観はこれくらいに、中に入ってみる。
かなり広い。
玄関を入り向かって左側には、8畳間が2部屋、6畳間が2部屋、向かって右側には板張りのキッチンがおそらく8畳程、さらにその奥には4畳半ほどの和室。
また、左側の8畳間2部屋の前には、廊下が通っている。
まさに日本の昔のおうちという感じでまずまずの印象。
期待しながら部屋にあがってみると、左側2つの八畳間はまあまあ大丈夫だが、ほかの部屋はすべて床が緩くなっており、かなりふわふわしており、板の間の一部は突き抜けてしまっている。
外観から見ると天井はまあまあ高いはずでよいのだが、かなり低く天井が作らており、屋根と天井の間にはかなり大きな空間が眠っているものと推察される。
次に水回りのチェック。
板の間は、間取り図では台所と記されていたが、台所の設備はない。
台所はぼろくなっていたので撤去してしまったのだと。
次に間取り図でお風呂場と記されていたところだが、浴槽がない。。
お風呂もぼろくなってしまっていたので撤去してしまったのだと。
次に間取り図でトイレと記されていたところ、トイレは二つと記されていたが、小用のものと大用のものがそれぞれ一つずつ、それで合計二つ、いわゆる地面に穴が開いている汲み取り式トイレ。
私の実家も昔は汲み取り式トイレであったが、ある時小学校からの帰りで、便意をもようし、急いでトイレに駆け込んだ私はその穴に片足を落としてしまい、命を失いかけ、実際にスリッパを片方失うという、生命の危機に瀕したことがある、汲み取り式トイレの危険さは身に染みて知っている。
小さな子供を抱える私としてはことだけは何とかしなければと思った。
あと水回りの水だが、これは、山から塩ビパイプで湧水を引いてきているとのこと。
水の量が不安定だが、コツを覚えれば大丈夫ですよと不動産屋さんからの心強いお言葉をいただき、コツをつかめるか心配だったのだが、この問題はとりあえず置いておくことにした。
不安定な水の量を調節するコツって意味わからないし。。。
次に土地を見て回った。
家の隣には傾きかけた作業小屋。
不動産屋さんのホームページの説明には何かとあると便利な作業小屋と記されていた。
傾きかけていて、屋根も朽ちかけている、見かけはかなりぼろいがしっかりと雨風をしのげる役割を果たしているようで、これはこれで日曜大工のためにはかなり使い勝手がよいのではと空想してしまう。
また、ウエイトトレーニングが趣味の私としては、自分のパーソナルジムとしても使えないかなぜかにんまりしてしまう。
傾きかけた朽ち果てた小屋の下でのベンチプレス、これ、結構筋肉を追い込めそう。
話はそれたが、鳥の小屋のようなものが作られており、ニワトリでも飼っていたのかと思い聞いてみると、前の大工さんが趣味でハトを買っていたとのこと。
ハト、ハト料理、フランス料理で有名なハト料理?、日本の伝統的匠の技術を身につけた大工さんとフランス料理、何かしっくりこない、ハトは食用ではないのではないか、それでは伝書鳩、だれに何の目的で伝書鳩でなんの伝書???
訳が分からなく、また、ハトとニワトリ、飼い方が違うのかなと思いつつも、まあ、あったらあったでいいかとそのままにしておくことにした。
そのまま、作業小屋を突っ切り、歩いていくと、突然の開けた風景が。
前の土地も横の土地も、もうすでに何代にもわたって放棄された土地で、さすがに家を建てられてはまずいけど、草をかって自由に遊び場とかにしてよいですよとのなんとも気前の良い話。
とにかく今般の対象物件は一段丘になっており、平原が見渡せる、こんなところで月見酒でもしたら気持ちがいいだろうなと思いながら結構気に入りつつ景色を堪能する。
次に家の背後にそびえる巨大な丘に登る。
この丘も敷地とのことだが、高低差はかなりあり、おそらく5~6mの高さがあるのではと思われる。
道なき道を何とか登ると頂上部分は開けており、南西向きに緩やかに傾いている。
ところどころにヤシが植生しており、ちょっとだけ南国気分。
また、丘の頂上部分は10畳程の平地になっており、何らかの魅惑的な木が中央に直立している。
高台になっているため景色もよく、子供がちょっと大きくなったらツリーハウスでもできそうなマザーツリーも結構ある。
この丘自体はほぼ竹に覆われており、孟宗竹というよりは細い矢竹のような部類の竹だと思われ、釣り竿など自給できそうな気になってくる。
そして最終局目へ
2時間ほど隅から隅まで親切な不動産屋さんに案内してもらったのだが、かなり気に入ってしまった。
不動産は縁、タイミングが命ということで、不在の大蔵大臣、、、というより、すべてをつかさどる総理大臣である奥さんの許可を取るべく、最後の調整へ準備を進める。
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