我が家の朝ははやい。
大体ワイヤとタタが交互に4時半ころからもぞもぞもぞもぞ布団の中で活動を始める。
その後両名そろって正式に起床するのが6時ころ。
旅行に行ってもそのペースは崩さず、家族そろって6時から活動可能な状況となる。
天気は真夏日、ホテルにはプールもあり、絶好のプール日和。
朝食のバイキングもプールも7時からなので、1時間ほど部屋で子供たちと戯れる、何気ないがとても幸せな時間、奥さんのご機嫌がよろしければ。
幸運にもご機嫌もよろしく、平和な時間がながれた。
7時ちょうどに朝食バイキングに。
朝食も昨夜の流れに引き続き、カレーがあり、かなり一家全員でほうばってしまった、バイキングで見境なく食べまくるのはちょっといやしいが、おいしいので仕方ない。
積み上げられたお皿を見ながら、食欲旺盛な家族全員の健康を確認し、さらに幸せな気分となる。
朝食の後は、プールへ進出。
ただ、プール進出前にフロントで確認。
タトゥーは大丈夫か否か。
奥さんはかなりタトゥーを背負っており、それがネックとなり入れないプールなど多々あり不便でしょうがない。
フロントの方に聞くと、土地柄外国人も多く、特に刺青に関する規定はないとのことで第一関門突破である。
部屋に戻り、奥さんに伝えると、さっそくプール準備。
奥さんは潔癖症で、太陽に触れるところを一部の隙もなく子供たちに日焼け止めを塗りまくっている。
別にそこまでと思うのだが、とにかく完璧主義者の奥さんは使命を全うするまではてこでも動かない。。
時間だけが過ぎていく、とにかく時間がかかってかかってしょうがない、そのうちに気分ではなく本物の暗雲が立ち込めてきた。
夏日だったのが急転直下、曇ってきて雨雲らしきものも出てきた。
これは、時間を無駄にすべきではないとのことで、すぐにフロントに行き、サメ型浮袋と普通の浮袋2点をかりて、プールへ直行。
すぐにプールに入り、私は、ワイヤ担当、奥さんはタタ担当とのことで、それぞれと楽しい時間を過ごす。
プールに入り、15分ほどで雨が降ってきた。
どうせ水に入っているのだからいいやと思うのが私、雨に濡れるので部屋に避難しなければと考えるのが奥さん、当然奥さんの決断が優先され、楽しいプールタイムは15分で終了。
部屋に帰り、予定の変更。
雨の中、子供二人をかかえハウステンボスで長蛇の列に並ぶのは困難と判断し、逆に人がいないであろう長崎オランダ村を訪れることとした。
オランダ村はハウステンボスの前身ということで、ホームページで調べてみると見事になにもない、ただ、腕のいいシェフがいるレストランがあり、そこで西海ステーキというものが食べられるとのこと。
肉の国出身の奥さんに説明すると、即決、何はともあれ、肉である。
素晴らしい景色とおいしいバイキング、感じのよい対応の弓張の丘ホテルに感謝しながらチェックアウト。
車で出発。
1時間ほどでオランダの風車やらオランダの建物がひしめく場所に到着。
駐車場に車を止め、入り口を探すがそれらしきものがない。
建物に入っていくと市役所と商業会議所となっており、どうもオランダ村の建物を使って行政を行っているらしい。
市役所の方にオランダ村の入り口を尋ねると、そこは正門ではなく、ほかの正式な正門があるとのことで、車で移動し、オランダ村へ。
駐車場には車が2台のみ。
本当にすいている。
海にかかった歩道橋を渡りオランダ村へ。
小さい水路のような海水の海だが、鯛が泳いでいるのが見えた。
長崎の海の豊かさに感動。
オランダ村は入場料もなく、自然に入れてしまった。
だれもいないオランダの街並み。
人の気配がない。
このオランダ村、我が家で貸切りましたと言えるほど人がいない。
店も何も開いていない。
ただ、オランダの街並みを再現している街並み自体はとても美しい、雨は上がっていたが、雨に濡れたレンガ姿は格別の雰囲気を醸し出している。
オランダ村の散策は後にし、昼時だったので奥さんが待ちに待った肉タイムにダイレクトに突入。
これだけ人の気配がないのだが、唯一人の気配がある場所がレストラン。
お客はいないのだが、レストランは一軒だけやっており、ここが西海ステーキを出すお店かということで、200Gの名物、西海ステーキを頼む。
ワイヤはいくら食欲旺盛と言えども2歳児で当然200Gも食べれないのだが、奥さんは200Gでは全く足りない。
奥さんの出身国ではバーベキューが盛んだが、その際お客さんを満足させるには、一人当たり500Gを目安に肉を購入する。
ただ、日本では牛肉はとても高価であり、そこは少し我慢していただく必要がある。
よって、最終的に西海ステーキ3皿を注文。
鉄板にのった香ばしい香りのするステーキが出てくる。
湯気の上がるステーキをほおばるおととにかくおいしい、塩コショウバターのみの味付けだが、その味付けと焼き加減が絶妙でおいしすぎる。
このような人のいない場所でひっそりとレストランをやっていていいのですかと、腕利きシェフと聞いてみたくなってしまった。
ただ、我々の他に2組入ってきたので、おそらくオランダ村の人気のなさを補って有り余るテイストを提供するこの肉だけのために来たのであろうと想像される。
当然のごとく奥さんは大満足、ワイヤも大満足で昼食を終える。
昼食の後は、しつこく言うようで申し訳ないが全く人気のないオランダ村の散策と記念撮影。
誰にも邪魔されることなくやりたい放題の記念撮影で、これまた有意義な時間を過ごすことができた。
今までしつこいくらいに人の気配がないことを書いてきたが、オランダ村の名誉のために誤解なきよう説明すると、このオランダ村、幼子を抱えた家族には本当におすすめである。
入場料がかからず、その上で、極上のステーキ屋さんがあり、オランダの街を忠実に再現したオランダっぽさをひとところに集めた景観の中での人目も気にせずゆっくりと記念撮影できる点等、いい意味で稀有の観光地と言えると思う。
と、オランダ村の名誉を回復したところで、次の目的地、稲佐山に向かう。
100万ドルの夜景といわれる稲穂山からの夜景の見える稲穂山観光ホテルというホテルを予約していた。
当初の予定では、ハウステンボスでうまくいけば夜の花火までとも思っており、夕食なし、朝食つきプランで予約していた。
稲穂山観光ホテルには夕刻に到着。
フロントでホテルでの夕食の可能性につき、問い合わせるも宴会場がいっぱいで無理であるとのこと。
部屋に入り、部屋のきれいさに感動する。
モダン和というような作りで、広い窓の前面には、100万ドルの夜景が広がるであろう街が広がっている。
(夕方なので、まだライトはともっておらず、広がるであろうなのである。)
ただ、部屋からの夕暮れの景色も素晴らしい、ケーブルカーが動いているのも見える。
と、話は変わるが、ここで夕食の心配である。
このホテルは、稲穂山の中腹にあり、周りにコンビニらしきものも見当たらない。
GoogleMapで調べてみると600Mとか700Mの圏内にコンビニがある。
なんだ、近いじゃんと思いながら買い出しのため、部屋をでて、フロントで念のため、一番近いコンビニを、聞くと、歩いては無理との回答であった。
初めて知ったのだが、このGoogleMapの距離というのは直線距離であり、カーナビで入れるとまさに道にそった距離で2.5Kmとなっている。
フロントから奥さんに電話をし、事情説明し、一緒にいくかといったところ一緒に行くと。
フロントで待っている間、ワイヤと一緒にいたのだが、愛想のいいワイヤはさっそくそばにいた妙齢のおばちゃんと話をしている。
妙齢のおばちゃんにかわいいと褒められて得意顔になっているワイヤを見ると将来どんなプレイボーイになるのか心配になってくる。
妙齢のおばちゃんとの会話を切り上げ、奥さんと待ち合わせし、車でコンビニへ。
コンビニで夕食の買い出しを行い、部屋に戻ってきた。
部屋に帰ったところで奥さんと喧嘩。
疲れのたまった奥さんは、まず、あなたはいいわよね、夜もしっかり寝て、リラックスして車を運転して、それに対して私は、夜も子供たちの面倒でよく眠れず、車では、場所が狭いから常に片方のお尻を浮かしていなきゃいけなかったとぶーたれだした。
その言い草はないだろうということで私も応戦してしまい、いつもの通り大喧嘩に。
最近怒鳴りあいをするとワイヤが必死に止めてくるので、よくないと思いつつもかっとなりけんかしてしまった。
その後、言い合いが続くが、せっかく旅行に来て、ばかばかしくなり、悪いとは思っていないが私から謝り、本喧嘩の終息とした。
通常は、謝っても謝っても、蛇のように喧嘩を長引かせる奥さんだが、同じように思ったのか、今般は一回の謝罪で仲直り。
いつもこうであってくれればと淡い夢を抱いてしまう、決してそんな甘いことは起きることはないのだが。
私にはある計画があった。
ワイヤを大浴場に連れていくことである。
奥さんは日本の文化には全く疎い。
突然だがカレーの話。
奥さんはカレーが嫌いで当然子供たちに食べさせることもしなかった。
ここで私の母親の登場、母親はカレーを食べれなかったら遠足とかキャンプとか困るでしょとカレーを作って持ってきてくれた。
このカレー、ワイヤは大好きとなり、後日プレスクールの遠足で母親の予言通りカレーがでて完食したという経緯があった。
大浴場も同様のことが言える。
林間学校や運動部の合宿など必ず大浴場を利用する機会はある。
一方、タトゥーを背負い、しかも同性の前で裸になる文化のない国出身の奥さんは温泉や大浴場には決して足を踏み入れず、よって子供たちもそのような経験はない。
また、熱いお湯が苦手なため、子供たちは私であれば凍えるようなぬるい、むしろ冷たいお風呂に毎日入っているため、ちょっとの温度で熱い熱い大騒ぎである。
大浴場は日本の文化とのことで、文化を教えるのも父親として役目として、私はまずは、ワイヤを大浴場につれていき、一緒にふろに入ることを画策していた。
喧嘩の後だったので、また喧嘩になると困る思い、慎重に慎重に説明すると、あっさりとワイヤを大浴場に連れていく許可がでた。
私はワイヤに大きなプールに行こうと誘いだし、大浴場のある地下一階へ。
大浴場の暖簾をくぐった瞬間、裸の男性がたっており、ワイヤは驚き、帰ると言い出し、這って逃げ出している。
私はここで逃げ出してはずっと大浴場や温泉は楽しめないと思い、ワイヤを抱っこして服を着たまま、大浴場にはいり、ここが屋内のプール、こっちが屋外のプールと説明し、ワイヤの好奇心に火をつけた。
後はスムーズで、ワイヤは服をはぎ取られ、まずは洗い場で体と頭を一緒にあらう。
次に湯船のほうに近づいて湯船のお湯を触らせるが、やはりお湯は熱いので無理のようであった。
私は一瞬だけ大浴場につかり、大浴場からでて、着替え場でワイヤに浴衣を着せる。
湯船にはつかれなかったが、大浴場にワイヤが足を踏み入れたというだけで進歩である。
浴衣を着たワイヤは、そのかわいいことかわいいこと、浴衣で大浴場から部屋に帰る際、何らかの運動部の女子高生たちとすれ違ったが、女子高生からかわいいとの歓声が上がっており、ワイヤより親の私が鼻高々。
部屋に戻り、家族全員で浴衣に着替え記念写真をとり、一方で浴衣の着心地が悪かったようで写真におさめて皆すぐ着替えるというインスタのための写真とりみたいな行動だった。
その後、疲れたのか、ワイヤとタタは就寝。
私と奥さんは暗闇のなか夕食をとり、就寝した。
翌朝も早朝より起き出し、朝食のバイキングに備える。
朝食のバイキング会場は広く、そこは女子高生にあふれていた。
ワイヤとタタの二人を連れて会場に現れるとやはり女子高生たちの黄色い声。
ワイヤとタタはすぐに人気者になる。
ここでは特にタタの人気が高かった。
最後には女子高生のグループにさようならをし、惜しまれながら朝食会場を退席し、部屋で早々に荷造りをし、チェックアウト後、空港に向かう。
空港そばのレンタカー屋さんに車を返却し、長崎を後にする。
帰りの飛行機では、ワイヤは驚くほど聞き分けがよくおとなしく座っており、タタがぐずったものの、だんだん飛行機にも慣れてきているのではと思いながら長崎の旅が終わった。
初めての飛行機を使っての家族旅行であったが、ワイヤとタタの確実な成長を3泊4日堪能し、しっかり育ててくれている奥さんに改めて感謝した。
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