この家の床の中で最もふわふわしている床、それは台所に隣接している北東の4.5畳間である。
ここは、中央北の4.5畳間のようなえせ畳が敷かれているのではなく、本物の畳が敷かれているのだが、畳の上からでもふわふわしており、気持ち、ソフトなトランポリンのようである。
どのような仕組みでここまでふわふわと全体的に畳を浮かせているのか逆に興味深いが、一方、畳をどかして見るのがちょっと怖い。
ただ、このような状態で部屋を放っておいても実用性がまったくないので、やはり床の修理は必要であろうとのことで、着手することにした。
床の修復など初めてのことだが、この部屋は、奥まったところにあり、しかも、大きさも4.5畳とほどほどに小さいので、練習にはもってこい。
初めての床の修復に着手である。
まずは畳を持ち上げ、下をのぞいてみる、畳の裏側が溶けてしまっている。。。
この畳おそらくもう何十年も使われていたのだろう、かなりりっぱなきちんとした畳であったようで、厚さがある、厚さが60MM近くあり、重量もあり。
ただ悲しいかな、古すぎる、かなり古くなってしまっており、畳をはがすと畳の裏側はもうボロボロで、おがくずのようにボロボロの粉となってどんどん崩れていく。。。
部屋の広さは4畳半なのだが、4畳分は畳、半畳分は、畳がなかったらしく、厚手の板がおいてあるだけであった。
よって、4枚の畳とこの板を取り除いてみると、畳の破片が、ほこりのように積もった薄いペラペラの木の床が現れてきた。
このペラペラの板は、根太で支えられているようなのだが、根太の位置がしっかりとこのペラペラ板を支えるようなところに入っていない、また、根太と根太の間隔も幅広で、このペラペラ板に乗ると二分の一の確率で踏み抜いてしまう。
おそらく現代は、ちょっとでも床がきしんだりすると、問題だということになるが、昔はそのようなことは問題ではなく、しっかりと雨風がしのげ、暖が取れればしっかりとした家として認識されていたのであろう。
事実これだけ、緩くふわふわしたペラペラの板と幅広根太でもしっかりと4枚の畳を支え、また、その上での人の生活を50年も支え続けてきたのだから。
また、畳の偉大さにも驚愕する、おそらく畳は、永遠のものというよりは、少しずつ消耗していくもので、人間の生活に接する表面はしっかりときれいな顔を保ちつつ、床側の湿気や寒暖にじかに触れる場所は少しずつ、その身を削り取りながら機能を担っていた、長年にわたって。
現在の床の構成は、まずは地面側から断熱材で寒暖をできる限り遮断し、その上に構造用合板を敷き、強度を出し、その上から、フローリングなど床表面の加工をするが、昔はそのすべての役割を畳が果たしていたのである。
とにもかくにも、床として張られている木がペラペラであること、また、根太の感覚が広いことを利用し、このペラペラ板の上を歩き、板を割りぬいて、取り除いていく。
さらに根太も強度のある2x4剤等使われておらず、おそらく杉か何かの細い角材が申し訳なし程度に大引の上に乗せられているので、これも難なく撤去していく。
大引は、さすがに黒光りする太い材木であり、これは強度があるだろうと思い、その上に乗ってみると、折れてしまった。。。
黒光りして強そうに見えた大引も中身はスカスカでペラペラで、私の体重だけで折れてしまうような強度に成り下がっていた。
のちに判明するのだが、とてつもない白アリ族の蹂躙にあっていたのである。
大引きまでここまでもろいと、それはそれは、畳の上にのっても安心感がないわけだと妙に納得し、根太と大引も一気に破壊し片付ける。
すべての木材の撤去が終わるとこのような状態に。
これからどうしよう、ここにフローリングで床を張るかとも思ったが、土間のダイニングとして使うのにもいい感じかと。
ちょうど台所の隣だし、室内でBBQをするために、ここは土間のまま残しておき、BBQテーブルを設置し、土間BBQ場というのもありかなと。
我ながらいいアイデア。
と、構想を膨らませていると、家を支えている柱が気になり、根元の部分を触ってみるとこれまたボロボロ崩れてしまう、大引のように。
やはり、どうもシロアリと腐敗により、芯まで浸食されてしまっており、もう家を支えておらず、浮いている状態になっている、、、超ショック。
これは、BBQテーブルなどと浮ついた話をしている場合ではない、まず、この家自体を支える柱をチェックし、シロアリに破壊されている柱はすべて補強ないしは入れ替えをしなければと、突然の優先度最高ランクの作業の出現に途方に暮れつつ作業を終える。。。
コメント