作業が始まらない訪問初日
今般は、奥さんとワイヤとタタと4人で訪問。
現在、ワイヤは2歳半、タタは0.5歳ととんでもなく手のかかる年ごろ。
ワイヤは、動きが止まることがない無尽蔵の体力を持つ男の子、目を放すと、好き勝手に糸の切れた凧のようにどこまででも行ってしまう、一方のタタはママと離れると途端に泣き出すという甘えん坊で、一時もママから離れることができない。
今回の目的は、柱の色塗りと先般床を抜いた部屋の柱の根元の修復。
このようなメンバーで家の修復を進めるのは無理があるのだが、少しだけでも進めばよいと思い、みんなで仲良く現地入り。
とにかく、子供がいると荷物がとてつもない。
たった一泊なのであるが、ミニバンで、一番後ろのシートを収納したとしてもバックミラーが見えなくなるほどの荷物の多さに積むだけで疲れてしまう。
朝7時出発の予定が、準備やらなんやらで結局出発したのは、朝の9時。
いつもながら、南米の奥さんの時間感覚のなさには何とも言えずへきへきとしてしまうのだが、相手が変わらないことはもう骨身にしみてわかっているので、後は私が変わるのみ。
おなじみのアクアラインを通過し、木更津金田インターでおり、節約のため下道を通って一路南房総へ。
途中おなかがすいたが、早く到着し、作業をしたい私は、コンビニでの軽食という家長としての威厳をもった指示をだし、朝食は車の中で。
その後、家に近づいてきたところ、真の家長である奥さんの迫力のある命令で、急きょ目的地変更。
おなかがすいた、館山のイオンに行きたい!!!
館山のイオンは素晴らしいと思う、雰囲気が大陸的で、アメリカのショッピングモールみたいな雰囲気。
土地が広いので、すべて平屋、イオンのほかにもニトリやヤマダ電機やダイソー等何でもそろっていて、とにかく便利。
ちょうど昼食の時間になっていたので、反対する理由もなく、作業をしたい家から遠ざかることとなるが、イオンに直行。
フードコートでラーメンを食べ、牧場の直営店のソフトクリーム屋さんでソフトクリームを購入。
ソフトクリーム屋さんの前にとてもリアルなミニチュアの牛がいる。
自然フェチの長男は早速その牛を気に入り、尻尾を引っ張ったりしていたのだが、いきなり何を思ったか、地面にうつぶせになり、牛のお乳を発見し、牛乳を出そうと絞っている。
どこで覚えたものか、実は自然フェチだけでなく、お乳フェチでもあった。
牛を持って帰ろうとする長男を無理やり抱き上げ、やっとのことで、ショッピングモールを出発し、海の家へ行けるのかと思ったのだが、ここでさらに奥さんからの命令。
ダイソーに行かなくちゃ!!!
奥さんは外国人のため、その国にはダイソーなどは当然のごとくない、多くの外国の方と同様、この100円ショップは宝の山に見えるようで何時間で平気で過ごしてしまう。
このたびは奥さんは見事な言い訳を用意していた。
海の家には何もないので、生活に必要なものをそろえる必要がある、ついては、ダイソーでそろえましょう!!!
これを言われて断る理由は一つもなく、一応30分という約束で、私は私で退屈してしまう長男をつれて、ショッピングモール内の滑り台などで時間をつぶす。
案の定、30分、40分、50分、1時間、最終的に約束から40分遅れの1時間10分でダイソーから出てきた奥さんが持っていたものは、大袋で3袋、合計金額1万円オーバーの大きな買い物で、買ったものを見てみると海の家にまったく関係ないものまで数多くご購入。
100円ショップは安く済むという考えを簡単に覆す、中国の方もびっくりな爆買いを実施された模様。
結局この日は、海の家への到着は、午後4時となり、一切の作業はできず、7時には寝てしまう子供たちのことを考え、夕食を作り、晩酌をし、早々に奥さんと子供たちは就寝。
自家製塗料の調合
一方どうしてもあきらめきれない私は、寝静まった家族を起こさないように細心の注意を払いながら、翌日の作業の効率をよくすべく下準備を開始した。
おそらく柱の修復は不可能なので、翌日の作業の中心は、柱のペイントになるだろうということで、塗料の準備。
目指すところは和モダンで、色調は白黒ということで、塗料は、自家調合の伝統塗料。
通販で用意していたものは、
- 松墨:不完全燃焼させた漆黒の炭の粉
- 柿渋:これはどうも防腐防アリ効果もあり、松墨と混ぜるらしい
今般は、松墨と柿渋と水を調合し、漆黒塗料を作る。
色々インターネットで調べると、松墨は水に溶けにくいので、焼酎で溶かすなどという記述もあるが、まずは水のみで溶かしてみる、お、、、簡単に溶けるじゃんというほどあっけなく溶けた。
色々試し塗したが、理想の漆黒は、
松墨:柿渋:水=スプーン小さじ山盛り4杯:80CC:320CC。
なぜ80CC単位かというとタタのベビーフードのビンが80CCでそばにあったので。
理想の色を発見した私は、深夜になっているにもかかわらず、どうしても塗ってみたくなってしまい、深夜にせっせと柱を塗装。
とてもいい感じになじんでいく。
とのことで、自信の塗料ができたところで、明日の作業の進捗を夢見ながらこの日は就寝。
作業は進まなかったが、家づくりとは全く関係ないが、夕食に鍋を作って、ワイヤに食べさせたところ、外国語しか話せない長男が、パパ、ありがとうと日本語で。
泣けた。
こちらこそ、暖かい思いをくれてありがとう。
奥さんの塗装の腕前
翌朝の朝食は、前日の鍋の残りにサトウのごはんを入れ、卵を溶き、雑炊。
やはり鍋の次の日の雑炊は間違いがないことを家族みんなで実感。
ワイヤの食欲も2歳児とは思えないもので、このあたりからも鍋翌日雑炊の奥深さを痛感する。
朝の散歩をした後、ワイヤは家の中でのサッカーに夢中。
タタは母親に紐で抱かれながら就寝中。
絶好のチャンスなので、奥さんに塗料の説明をし、塗り方を説明。
奥さんは塗装の経験があるらしく、めんどくさそうに聞いた後、早速アドバイスを何も聞いてないかったかのように自己流に塗装を開始。
柱を一本塗ったところ、乾いてから色が薄くなってしまっている。
奥さんは色が黒くないと文句を言っている、、、だから説明したじゃんという心の声は声には出さないようにし、再度説明。
この塗料は、炭の粉末で黒をだしているので、その粉末は、時間がたつと下に沈んでしまう。
よって、常にかき混ぜる必要があり、かき混ぜながら塗っていくときれいな深みのある漆黒の色に木が変身する。
ただ、表面をコーティングする機能はないため、触ると手に黒くすすがついたような状態となり、せっかく自然のものを使っているので、表面を化学品でコーティングするのも気がすすまず、手の触れる機会の少ない上部にある木はすべてこの塗料で塗ることとした。
一方、廊下や玄関等常に靴下や裸足で触れる場所は、すぐに靴下や足が黒く汚れてしまうため、ここは化学物質のオイルステインを利用し、塗装することにしたが、それはまたの話。
奥さんはコツをつかんだのか、タタを吊り下げながら順調に色を塗っていく。
と、一か所で止まった、ここどうすると聞いてきた。
それは、仏壇を収める場所で、きれいな細工のされた扉でしめられており、私自身は最初に見たときに開けただけでそれ以来、どのように扱っていいかわからなかったので、そのままにしてあった。
ただ中はきれいな3段くらいのひな壇になっており、おそらく過去お位牌等を直接おけるようにきれいな作りにしていたものと推測される。
どうすると聞かれても。。。。
と、奥さんは、私にこういうところは閉めておくとよくない、オープンな空気に接するようにしなければと、きれいな細工がしてあった扉をとるように指示。
当然、私は指示に従い扉を取り去った。
その後、本当にきれいなだんだんが現れ、敬意を払っていると、やはり外国人なのか、問答無用で、ふきんでからぶきした後、他の柱と同様、自家製塗料で塗り始めた。
漆黒で塗ってみると本当にきれいになったので、私はほぼ何もしていないが、奥さんの度胸ときっぷのよさと、知らないとは怖いもの知らずだなと思い、一方で、それ系の話に弱い私だったら決めきれなかっただろうなと思い、奥さんに感謝した。
とのことで、時間もたち、作った塗料も仏間を塗った途中のところで終わりとなったため、筆を洗って、この日の作業は終了。
尚、仏間の上には、大層きれいな神棚があり、ここも塗装を控えていたのだが、奥さんに筆をもたせ、奥さん判断でどうにでもしてくれればよいと思っている。
この後、車でゆっくりと東京に向かったのだが、帰りはやたらと混んでしまい、4時間かかりくたくたになり帰宅。
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