初めての場所での運転でもあり、子供たちも早く起こさなければならないため、前日は早めの就寝。
翌朝、8時の出発を目指す。
翌朝、予定通り、7時に起床するも、いつもながらのペース、というよりいつもより更に遅いペース。
子供たちは目覚め、私も準備が完了し、奥さんの身づくろいと子供たちの荷物の準備、あーでもない、こーでもないと荷物を出したり入れたりで、結局、やっと奥さんが満足し、出発できたのが、なんと11時。
奥さんの出身国には、時は金なりではなく、時間は浪費するためにあるということわざもあるほど、時間に関しては寛容。
例えば、友人と待ち合わせをしていて、待ち合わせの時間にこない、電話をするとスペイン語のLlegandoという言葉、、これは「着く」という言葉の現在進行形、つまり、直訳すると「着きつつある」である。
では、この「着きつつある」というのはどのような状態を「着きつつある」というのか。
おそらく日本人の感覚であれば、最寄りの駅をおりて、待ち合わせの場所に徒歩で近づいているとか、車であれば、2~3分で着くところといったところであろう。
一方、奥さんの国の「着きつつある」は全く違う、交通渋滞でいつつくかわからなくても、待ち合わせ場所に向かっていればLlengado、つわものになると自分の部屋で身づくろいを整えているときでも、会うためという目的に向かっているのでLlegandoを使ってくるという始末である。
少し話はそれたが、我が家の遅れも、言ってみればそれが普通なので、目くじらを立てないように、こちらが心の平穏を意識して求めなければ解決しない。。。
よく日本で遅刻数分で男女がケンカになったりすると思うが、この私の忍耐と比較していただければたいていのことは許せると思う。
心の平穏を心底求めつつ、とにかく荷物を車に乗せ、出発。
最初は下道で色々見ながらのんびりとと思ったのだが、この時間の出発では、とてもではないけど、スケジュールはこなせないと思い、高速で一気に水戸に向かおうとする、も、遅れての出発は全く意に介していないようで、奥さんは、コンビニで買ったコーヒーを優雅にすすり、間食を楽しみ、やっとのことで、高速にのる。
高速に乗った後も、ドライブインではソフトクリームだなんだかんだと間食を楽しんでいる。
そうこうしているうちに、水戸までたどり着けるような雰囲気でなくなってきて、遅い昼食、ホテルでの夕食の時間を考えると、早々に偕楽園は断念。
筑波で高速を降り、市内の適当なラーメン屋さんでラーメンを食べる。
その後、時間を見てみると、もう、2時半近くになっており、兎に角一つでもスケジュールをこなせるよう、取り急ぎ、筑波山山頂はぜひとも極めたいと思い、ケーブルカーに乗ることにした。
筑波温泉は筑波山山麓に位置しており、ケーブルカー乗り場は筑波温泉を通り抜けてたどり着く神社からの発着。
ただ、どうも筑波山山麓に入った時点でおかしい。
田舎道にもかかわらず、一本道は渋滞しており、とにかく進まない。
我慢強く渋滞を通り抜け途中で理由が判明。
筑波山梅まつりというものが開催されており、その観光のために車が渋滞を作っていた。
この渋滞を抜け、適当な駐車場に車を停車し、筑波山に登るためのケーブルカーに向かう。
一応参考までに、奥さんは車を降りるときの準備は、最低15分はかかる。
この忍耐苦行のような、15分を毎回体験しながら、とにもかくにもベビーカーと二人の幼子、時間のかかる奥さんをつれ、ゆっくりとケーブルカー乗り場に向かう。
このように普通に歩いているときでも油断はできない。
過去、私が普通に歩いていると、必ず言われる言葉。
そんな早く歩けない、あわせてよ、それとも日本の常識で、女は男の後ろを歩かなければならないのと。。。
ケーブルカーの時間は、5時までとなっている中、ゆっくりゆっくり近づいていく。
一点、すごい誤算だったのは、実はこのケーブルカー乗り場は、長い階段からなる筑波神社を抜けたところに位置しており、当然階段はベビーカーでの走破は不可能であり、奥さんは0歳のタタを抱え階段を上り、私は、まず、ベビーカーたたみ、それを持ちダッシュである程度上の階段の上にあげた後、ベビーカーをおき、ダッシュで階段を駆け下り、2歳のCの手を引くというピストン輸送での対応を強いられた。
この輸送だけでも疲れるのに、さらにはどこまで行けばよいのと、奥さんの不満の眼もきつくなってきており、ガマの油が有名な筑波山、私も背中に変な脂汗。。。
そうこうしているうちにやっとケーブルカーの発着駅に到着。
16時のケーブルカーに駆け込み、約8分で1000Mの頂へ。
筑波山は男体山と女体山という二つの山からなっており、ケーブルカーは男体山、ロープーウェイは女体山としゃれた作りになっているのだが、今般は、男体山から女体山への縦走はあきらめ、男体山の山頂で景色を楽しむ。
頂上は平地になっており、360度見回せる。
関東平野一望というふれこみであったが、本当に大陸的な風景で、また、霞ヶ浦もきれいな形で見えており、感動した。
また、奥さんが計算づくで、ゆっくり移動してくれたおかげにより夕刻、夕焼けの絶好のタイミングであった。
景色は息をのむ美しさであったのだが、風は非常につよかった、おそらく関東平野を走ってきた空気が筑波山の山肌を駆け上がり、山頂の我々にぶつかってきていると思うと、感慨深いが、一点、面白かった。
2歳のワイヤは風によわく、強い風が吹くと目を閉じ、手で顔を覆っている。
一方、0歳のワイヤは風が好きなようで風が吹くと口を開けてころころ笑っている。
同じ兄弟でもここまで違うのだなとちょっとおかしくなり、一方、目を閉じ、手で顔を覆っているワイヤはかわいいのだがかわいそうで、ついつい、筑波山名物かわからないが、頭と顔をすっぽり覆えるカエルの帽子を買ってしまった。
いずれにせよ、ケーブルカーは20分おきの運行であり、念のため、4時40分の便でふもとへ降りていき、天上界での感動はほぼ30分。
下界におりるとまた、苦行の荷役歩荷の修行が待っており、何とか車までたどり着くと、もう5時半となっていた。
この筑波山ケーブルカー利用の登山の教訓は、ケーブルカーといえども結構な階段を上ることになるので、極端なお年寄りや乳幼児を抱えた人はそれなりの覚悟をもって登るべしである。
ホテルは伝統的な温泉ホテルで夕食の時間も決まっている。
救いはホテルが筑波温泉内のホテルで、すぐ近くにあること。
駐車場から約10分でホテルに到着し、5時50分、チェックイン。
6時半の夕食を予約し、部屋へ。
部屋は関東平野が見下ろせる伝統的な和室できれいな部屋。
梅の花も見ることができ、本当に絶景のお部屋。
ここで一つ私には楽しみがあった。
ワイヤは風呂好きなのだが、奥さんの国では温泉で共同風呂で風呂につかるという経験がない。
ワイヤはハーフながら日本男子としての血が流れているので、この温泉という素晴らしい文化は伝えなければと思い、奥さんに提案。
夕食前の今、ちょっと時間あるから、ワイヤに温泉体験させてくる。
ワイヤはまだ2歳なのだから、そんなに熱いお湯に入れない、また、ワイヤ自身も熱いお湯はきらいだから。
と愛想も何もない返答。
ここで食い下がると確実に激しいけんかとなり夕食がつまらなくなると思い、くやしくも断念、次の機会を狙うこととする。
このホテル、夕食がおいしいと評判らしく、食べたが普通においしい、また、日本酒も地酒がおいてあり、2合を飲んで、いい気分となり、部屋に戻り、子供たちは平和に就寝。
子供たちが寝静まった後、満を侍して、
子供も寝たし、ちょっと一風呂浴びてくるね。
私が子供を見ていなければならなくて離れられないのに、いい御身分ね、勝手にいってくれば。
と予想外のかなりのお怒り。
共同風呂につかる習慣がない奥さんを持つと、このようなわけのわからない怒りを買うこともあるので、ご注意を。
とのことで、火に油を注ぐ度胸は私にはなく、結局有名な温泉宿に泊まったにもかかわらず、おふろは部屋についているシャビーなユニットバスのシャワーを浴びる、こんな理不尽なと布団に入っても思い返し、理不尽さに対する怒りは収まらないが、寝るしかない、寝るしかない、寝るしかない。。。。
こんな感じで一日目が終わる。。。
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